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SHIRAZ を修理する [修理記録]

SHIRAZ はオープン構造になっている。
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怖い
入手した時は、4カ所の外れていた、慎重にハンダ付け
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仕上がりは今一だか、しっかりついているので良しとする。

ヘッドシェルにとりつけ、超慎重にとりつける。

こんな感じだ。
海老みたいだ。
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カンチレバーはアルミで標準的な太さだ。
オルトフォンタイプ、典型的な発電形式だ。
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音を聞いてみたら、歪んでいる。

音の感じから原因を考える。
ギャップにゴミとか異物が挟まっている、固定は緩んでいたりする場合にこんな感じのサウンドになる。
顕微鏡で慎重にみる。
とてもきれいな状態だ。

ダンパの弾力は問題ないようだが変だ。

ダンパを顕微鏡で観察する。
銅製の棒状のニードルで触ると表面カチカチだ。
触るとボロボロ落ちる。
これが原因だ、アートナイフも持ち替えて、できる限りそぎ落とす。
アートナイフは鉄製のため、MC型の場合思わぬ方向に引っ張れて断線の経験がある。
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かなり削ったが、中心部は弾力があり、削り取るのは難しい。
常に断線の恐怖との戦いだ。

出力も大きくなり、驚きだ。
しかし、まだ少し歪んでいる。
もう少し削ってみる。
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中心部がきれい外せないので、新品ダンパの交換もできない。


本来のサウンドかと言われれば、本来のサウンドを知らないので分からない。
ここから危険を冒して、ダンパ交換をするかこのままで良しとするか考えどころだ。


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DENON DL-103 シリーズ カートリッジ集中試聴 [修理記録]

DENON DL-103 シリーズ まとめて聴いてみた。
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① DL-103 オリジナル
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 とても状態が良い、周波数特性も調べてみた。
https://en-ide-cart2.blog.ss-blog.jp/2019-09-29
 103 はフラットで癖が少ないカートリッジだ。
 サウンドはザ・スタンダードカートリッジといった感じだ。


② DL-103 修理品 その1
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  ロッド方式でカンチレバーを繋いで修理した。
  カンチレバーは新品で 0.5mil の丸針だ。
  オリジナルは 0.7mil の丸針だ。
  仕上がりは上出来だ。

③ DL-103 修理品 その2
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  ロッド方式でカンチレバーを繋いで修理した。
  カンチレバーはAT-10Gからの移植で 0.5mil の丸針だ。
  細めにカンチレバーでオリジナルに近い。

④ DL-103 修理品 その3
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  クラックが入っており、首の皮一枚でつながっていた。
  一度取り外して、ロッド方式で再接続した。
  カンチレバー、スタイラスチップはオリジナルである。
  ② と ③ とは一味違う。

⑤ DL-103S 修理品
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  クラックが入っており、首の皮一枚でつながっていた。
  一度取り外して、ロッド方式で再接続した。
  カンチレバー、スタイラスチップはオリジナルである。
  修理とはいえ、103 とは傾向が異なる。

⑥ DL-103D 修理品
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 針折れ品を入手した、DL-301II の カンチレバーを移植している。
 カンチレバーはアルミで、スタイラスチップは無垢の楕円ダイヤモンドだ。
 解像度の高いサウンドが楽しめる。

⑦ DL-103M 修理品
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 針折れ品を入手した、無垢の楕円ダイヤモンドのカンチレバーを移植した。
 カンチレバーはオリジナルよりやや長めだ。
 名前は 103 だが、全くの別物だ。
 空芯構造で、ボディの長さもオリジナルより短い。
 空芯の影響で、出力も小さめだ。



⑧ DENON DL-103 オリジナル2
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  非常に綺麗な状態なDL-103を入手した、新品といって良い状態だ。
  やはり、癖の少ない、色つけのないサウンドが楽しめる。

⑨ DENON DL-103 修理品 その4
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  途中で折れていたので、ロッド方式でカンチレバーを接続した。
  移植したカンチレバーは、楕円スタイラスチップだ。
 


⑩ DL-103S オリジナル
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  103S は 103 の正常進化系で、振動系の軽量化とスタイラスチップを楕円化している。
  サウンドは、やはり繊細で、情報量が多い。






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ヤマハ 一体型カートリッジ MC-1X を修理する [修理記録]

ヤマハ 一体型カートリッジ MC-1X を修理した。

MC-1X と MC-1S ととても面白い発電構造だ。
サテンのカートリッジと似たような発電構造だ。
このカートリッジは断線が非常に多い。

入手したカートリッジは、半分が断線していた。
MC-L1000 の内臓型のような不思議な発電構造だ。

このカートリッジのカンチレバーは、ベリリウムカンチレバー採用とされているが
無垢ではなく、ベリリュームのパイプなのだ。
SHURE V-15 TypeV シリーズも一時期、ベリリュームパイプを使っていた。
とにかく脆い、カンチレバーを触っているとボロボロ崩れていく。
DL-305 のボロンパイプと良く似ている。

同時に2個修理した。
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1個は根元から折れており、1個は先端の一部が崩れている。
とにかくとてもデリケートなカートリッジであることは間違いない。
軽量化を図った結果だろう。
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根元から折れた方は、テクニカ AT-33E からの移植
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先が折れた方は、オルトフォン MC-200 からの移植だ。
よく、米粒程の表現があるが、米粒は大きい、ゴマも大きい、折れたシャーペンの芯のかけら
といった感じだ。
作業しているうちに、無くなってしまうことが多々ある。
本当に、厳しい戦いだ。
最初に、エポキシボンドで先端を充填、カンチレバーが無くならないように慎重に挿入する。
顕微鏡にで見ながら慎重に位置を合わせる。
エポキシボンドの粘度が問題だ。
粘度やや低い、コントロールが難しい。
24時間効果を選んだ、一度調整しても、流れてしまう。
1時間後が勝負だ。
30分後に、調整、1時間後に再調整
このあたりになると、粘度が高まりほとんど流れない。
なっとか、納得の行く位置に固定できた。
念のため、10日間養生した。

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サウンドを比較すると、オルトフォンカンチレバーの方が、スピード感がある。
両方とも、うまく修理できた。

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DL-103 シリーズを修理する [修理記録]

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103系の修理品とオリジナルを比較してみた。
① DL-103 修理品
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  根元からの針折れを修理した。
  移植したカンチレバーはアルミ、スタイラスチップは 0.5mil のコニカルだ。
  非常にバランスが良いサウンドだ。
  音場も広し、安心して使える。

② DL-103R
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  途中から折れている針折れ品を修理した。
  移植したカンチレバーは ADC XLM-II だ。
  スタイラスチップは、無垢の楕円ダイヤモンドだ。
  ① より音場が広がって、レンジが広がったようだ。

③ DL-103D
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  途中からの針折れ品を修理した。
  移植したカンチレバーは DL-65だ。
  スタイラスチップは接合楕円

  ①と②とは少し音の傾向が異なる。
  解像度が上がって、レンジが広がった感じがする。
  振動系もダンパも 103 オリジナルとは異なっていた記憶している。

④ DL-103 オリジナル
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  全くのオリジナルを比較他のために聴いてみた。
  ①と②と同じような傾向だ。
  当たり前か?、オリジナルスタイラスチップは 0.7mil だ。
  安心、安定が信条のカートリッジといった印象だ。




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テクニカ OC-9 を修理する。 [修理記録]

針なし の テクニカ OC-9 を修理した。

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OC-9 シリーズの発電ユニットは AT-F3系と同じだ。
つまり、あのじゃまなスタイラスガードがある。
AT-F シリーズの修理はお断りと表示している人もいる。

OC-9 オリジナル
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カンチレバーはボビンと一体化された鞘にカンチレバーをはめ込む構造になっている。
テクニカの歴代のMCカートリッジもこのような構造になっている。
鞘の部分から折れてしまっている。

このスタイラスガードを正確に通して、正確に垂直方向に運動できるようにしないといけない。
接着材のはみ出しもゆるされないし、太いカンチレバーも干渉するので NGだ。

手持ちから探して テクニカ AT-15Ea のカンチレバを移植することにした。
顕微鏡をみて慎重に接着する。

無事完了と思ったら、スタイラスカバーがぐらぐらして外れてしまった。
折角なので、スタイラスカバー無しのスケルトン状態で聴いてみた。



OC-9III
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構造は OC-9と全く同じだ。
ダンパの材質は違うようだ。
オリジナルは白色系でかなり柔らかめでつぶれるまでテンションワイヤーで圧力をかけている。
III は黒系でかなり硬め、テンションワイヤーで変形はしておらず、角柱のゴムの形がはっきりしている。
最初は、鞘からカンチレバーが抜けたのかと思っていたがどうも鞘が折れたようだ。
そのまま接着はできない。
当然スタイラスガードがなければいろいろ方法があるが、スタイラスガードのせいで制約がありすぎだ。
ダンパを観察したところ、硬く劣化していそうなので、駄目もとで AT-10Gのカンチレバーを移植した。

オリジナル修理品と比べるとややアダルト調だが、低域の芯もしっかりしていてロックも問題ない。
線がしっかりしており、所謂 JAZZ 向きかもしれない。



カートリッジのサウンドのカンチレバーとスタイラスチップが音に及ぼす影響は小さいと考えている。
プレヤーシステムも含めてトータルで考えるべきである。
IIは0.5mil のコニカルだが高域不足と感じることはない。
オリジナルはハイ上がりすぎて少し不自然な感じだ。
やはりこのシリーズのカートリッジは難易度が高い。


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DL-301II DL-103 修理する [修理記録]

DL-301IIを修理した。

2個の固体を同時に修理した。

繋いだカンチレバーは 
① 型番不明 ダイヤモンド楕円無垢
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  ハイ上がりになることなくとても、ややアダルト調でしっとりとしたサウンド

② AT-F3II からの移植 極小ダイヤモンド楕円無垢P1170912.JPG
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  雰囲気を良く出している。高域はこちらの方が綺麗に出ている。

ダンパの状態も良好でオリジナルに近いサウンドが再現できたと思う。

③ DL-103 無垢ダイヤモンド
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DL-103 も無垢ダイヤモンドのカンチレバーで修理した。
DL-301と比べるとかなりクラシックなサウンドであることがわかる。

④ DL-103 オリジナル
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ヘッドシェルの影響もあるだろうが、かなり軽やかサウンドでヤング向け雰囲気がある。

この中で選択するとすれば ② が自分の好みに合っていると思う。





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パイオニア PC-330 集中試聴 [修理記録]

パイオニア PC-330 は割と上級機のプレヤーの付属カートリッジとして採用されていた。
単体販売もされていたようである。
当方は、貧乏人だったので、普及版のプレヤーだった、付属していたカートリッジは PC-110だ。
交換針がいろいろ集まったので比較試聴してみることにした。

・PC-330 交換針はナガオカ製丸針
・PC-330 交換針はナガオカ製 原音 楕円接合ダイヤモンド
・PC-550 PC-330の上位機種
・PC-16 交換針 4ch対応 純正

並べるとこんな感じ。
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ついでなので重量も測定してみた。
ヘッドシェルは全て同じだ。
0.3g 以内に収まっている。工業製品としては優秀だ。

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①PC-330 交換針はナガオカ製丸針
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 レンジはそこそこ広く、PC-110 上位機種といった感じだ。
 これを基準にして比較する。

② PC-330 交換針はナガオカ製 原音 楕円接合ダイヤモンド
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 声の質感が上がった。雰囲気もよくなり楕円と丸針の差をかんじさせる。 
 
③ PC-16 交換針 4ch対応 純正
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 ①と②とは次元が違う。
 情報量がぐんと上がって、繊細さもある。
 声の表情も違う、低域の芯もしっかりありさすがシバタ針といった感じだ。

④ PC-550 PC-330の上位機種
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 針折れ寸前品を入手した。
 ピンセットで矯正して、接着材で補強した。
 影響は少ないだろう。
 これもかなり違った表現をするカートリッジだ。
 一聴して、高級機のサウンドであることがわかる。
 顕微鏡でみたかぎり特殊楕円、ラインコンタクトではないかと思う。
 ヘッドシェルをもう少しグレードを上げればもっと良くなるだろう。

こうやって聞き比べると、丸針と楕円の差を感じる。
できれば、楕円などの高性能スタイラスチップ採用カートリッジを使いたい。


PC-330 丸針 と 4CH対応シバタ針を比べる。


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DL-103Sを修理する。 [修理記録]

DL-103S を入手した。
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針がないと思いきや先端が首の皮じゃなくてアルミの皮一枚で繋がっている。
しばらく放置していたが、顕微鏡でじっくり観察する。
横方向に力がかかり先端が斜めに折れている。

顕微鏡をみてじっくり矯正する。
スタイラスチップが垂直になったところで、接着材で補強。
カンチレバーが腐食気味だったのでカンチレバーにも薄く塗布した。
12時間後、顕微鏡で再度確認とてもいい感じだ。
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DL-103S らしい高域の解像度が高い、ワイドレンジはオリジナルと遜色ない。


スタイラスチップはそのままだし、重量の増加小さく、修理の影響は小さいと考えていいただろう。


DL-103Mを修理する [修理記録]

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DL-103M は 103シリーズじゃなくて DL-305のコストダウンモデルだ。
DL-103といいながら、針カバーの互換性はないし、なんで103シリーズにしたのだろか?
デザインも異色だが、好感が持てるデザインだ。

DL-103M 針折れ品を入手した。
正確には、針曲がり品だ。
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首の皮一枚繋がっている状態だ、一度切り離して接続してもいいのだが、折角なので
いろいろ考えた末、ピンセットを使って修正後、接着材で固定することにした。
補正中に針が何処かに飛んでいった終了という経験も何度もやっている。
顕微鏡を見ながらじっくりと補正後、正確な位置だしして固定した。
ここで油断してはいけない、引力を忘れてはいけない。
上向きを固定すると引力で変な角度固定されてしまう。
カートリッジの先頭を下向きにして養生するのがコツだ。
DL-103は先頭が平らなので簡単だ。

ヘッドシェルで確認しようと思ったらリード線がなかった。
高周波用の撚り対線があったの自作した。
硬くて今一だ、効果はあるのだろうか?
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耐久性テストを含めていろいろなレコードで確認した。
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DL-103Mの良さは損なわずに修理できたと思う。




残念ながら右側が2~3dBレベルが低い、聴感上はそんなに気にならない。
接触不良を疑ったが、問題ないようだ。
顕微鏡でみた感じでは、スタイラスチップの垂直度も問題ない。
バランスを少し回せば問題なく楽しめる。

ついでに、同じヘッドシェル、リード線に DL-103 オリジナルをつけて確認してみた。
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鉄芯の103の出力電圧が高く、アンプへの負担は小さい。

繊細さ、解像度は 103Mに譲るが、103のスタンダードしてはいいカートリッジだ。





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